動画編集者を目指す方にとって、今後も動画編集者の需要があるのか?というのは気になるポイントです。
「動画編集者は飽和している」「動画編集者は稼げない」という声もよく聞くことがあります。
確かに、YouTubeが市民権を得てから動画編集者の数は一気に増えましたが、それに比べて動画編集の需要というのは一定程度しかないとも考えられています。
実際のところどうなのか?動画クリエイターとして活動しつつ、YouTube広告のディレクターとして年間数十本もの動画を発注している筆者が解説します。
目次
低スキルな動画編集者は飽和している
はっきり言ってしまうと、低スキルな動画編集者は飽和状態です。
「低スキル」というのは基本的なカットやテロップしかできないような動画編集者のことを指しています。
もちろん、最初は誰でも基本的なことしかできませんから、決して蔑んでいるわけではありません。
簡単な動画編集をクラウドソーシング上で発注すると、毎回50名以上の方から応募があってクライアント側としても選ぶのが大変なくらいです。
その理由と現状の市場について細かく説明したいと思います。
テロップとカットだけなら誰でもできる
低スキルな動画編集者が飽和している一番の原因は、テロップやカットなどの基本的な作業は誰でもできてしまうということです。
今はYouTubeやブログなどを見れば基本的な動画編集スキルは誰でも身につけることができます。
ちょっと勉強すれば簡単な案件を請け負うことができるくらいには上達してしまいます。
YouTubeの登場により動画編集が身近になったことで、低スキルな動画編集者が飽和してしまっているのです。
クラウドソーシングは飽和状態でジリ貧
動画編集者の仕事の携わり方は様々です。
会社員や派遣社員として企業に雇われて働いている方もいれば、アルバイトでコツコツ動画編集に取り組んでいる方もいます。
フリーランスの場合やSNSなどで積極的に発信することで案件を獲得している方もいます。
そんな中、一番飽和してしまっている市場がクラウドソーシングです。
クラウドソーシングならどこからでも仕事ができますし、面倒なやりとりが不要なので人気が高いです。
しかし、その人気さ故に受注したいワーカーさんの数が圧倒的に多く、値下げ合戦のようになってしまっています。
どんなに値下げしても、同じクオリティでもっと安くやることができるワーカーさんが現れてしまうのです。
それはなぜかというと、片手間でやっている主婦や副業で取り組まれているワーカーさんが多いからなんです。
本業としてはやっていけないような金額でも、お小遣い稼ぎとしてならやっていけます。
そんな裏事情もあって、クラウドソーシングは飽和状態になってしまっているのです。
動画編集スクール乱立問題
動画編集スクールが乱立してしまっているのも、動画編集者が多くなってしまっている原因の一つです。
質の高い動画編集スクールも中にはありますが、質の低いスクールや、中には情報商材的なものを売っている悪質な業者もいます。
動画編集スクールは立場上、「動画編集は稼げる」ということをアピールしますが、厳しい現実があることも知っておいて欲しいです。
動画編集を本格的に学びたい!と思っている方は、しっかり下調べをしてからスクールを選ぶと良いと思います。
高スキルな動画編集者の需要は高い
低スキルな動画編集者はクラウドソーシング上で飽和してしまっている一方で、高スキルな動画編集者の需要は根強く存在します。
どんな動画編集者が高スキルな人材なのか?なぜ高スキルな動画編集者の需要は高いのか?という点を解説していきたいと思います。
独自性のある動画編集者は希少
独自性のある動画編集者は希少で需要が高いです。
独自性のあるというのは、特殊な技術を持っていたり、アーティスティックな作風を持っているということです。
例えば動画クリエイターの第一人者である田中潤さんがその一人です。
田中さんは数々の有名アーティストのミュージックビデオやテレビCMを手掛けています。
田中潤さんの作品の一例をご紹介します。
SEKAI NO OWARI「RPG」
人気ロックバンド「SEKAI NO OWARI」(セカオワ)の楽曲です。
セカオワのファンタジックな世界観を見事に表現しているミュージックビデオになっています。
派手なCGなどはありませんが、その分撮影のアングルやカットが作り込まれていて見飽きない作品に仕上がっています。
再生回数は現時点で1億8千万回以上となっており、その影響力が凄まじいことがわかります。
きゃりーぱみゅぱみゅ – にんじゃりばんばん
こちらの作品はきゃりーぱみゅぱみゅの楽曲のミュージックビデオです。
アニメーションやトランジションなど、動画編集者としての田中潤さんのスキルがふんだんに盛り込まれている内容になっています。
きゃりーさんのポップな世界観がミュージックビデオの中にしっかりと落とし込まれています。
このように、アーティスティックな作品を作ることができる動画編集者は、非常に希少性が高く需要があります。
スキルを上げるには実務経験を積むしかない
どうやったら高スキルな動画編集者になることができるのでしょうか?
それは、ひたすらに実務経験を積んでいくしかありません。
どんなに勉強を頑張っても、実際の仕事で行うクオリティで仕上げることができなければ意味がありません。
実務経験をたくさんこなして、自分の実績を積み上げていくことが大事です。
動画編集者の良いところは、自分が作成した動画を実績として公開することができるということです。
実績や信頼を得ることによって、名実ともに優秀な動画編集者としての地位を築くことができます。
高スキル人材はAdobeのソフトウェアを使う
高スキルな動画編集者を目指すためには、Adobeのソフトウェアを使えるようになることが重要です。
様々な動画編集ソフトがありますが、やはり一番信頼性が高く需要があるのはAdobeのPremire ProとAfter Effectsです。
例えば、劇場版シン・エヴァンゲリオンのコンポジットにもPremire Proが活用されています。
Adobeのブログに面白い話が掲載されているので、ぜひ読んでみてください。
ミュージックビデオの制作やテレビ番組の制作など、どんなところにでも広く使われています。
高スキルの動画編集者になって活躍したい!という方は、まずはAdobeのソフトウェアを使いこなせるように勉強してみてください。
まとめ:飽和状態だが需要はある
単純作業しかできるない動画編集者は飽和状態で、今後どんどんAIに代替される存在ということは間違いないでしょう。
動画編集ソフトの技術はどんどん発展していて、ワンクリックで様々な作業が自動化できるようになってきています。
一方、独自の作風を持っているクリエイティブな動画編集者の需要はまだまだ高い状態です。
これから動画編集者を目指す方は、悲観せずに頑張って学んでいただきたいなと思います。