今、YouTubeの利用者は右肩上がりで増えており、それに伴って動画編集を仕事や副業にする方も増えています。
ただ、YouTuberやアーティストに比べて、裏方である動画編集者が脚光を浴びることはなかなかありません。
そこで今回は、動画編集者として活躍されている有名人を取り上げてご紹介したいと思います。
目次
①寿司くん
大阪芸術大学の映像学科出身の動画編集者です。
また、特に若者の間で人気が高いロックバンド「ヤバイTシャツ屋さん」のボーカル兼ギター「こやまたくや」としても活動しています。
出典:ヤバイTシャツ屋さん OFFICIAL WEB SITE
動画編集者としての「寿司くん」より、ヤバイTシャツ屋さんとしての「こやまたくや」の方が知名度が高いです。
ヤバイTシャツ屋さんのことを知っている方は、こやまたくやさんが動画編集者として別名で活動されていたことを知らなかったという方も多いのではないでしょうか?
寿司くんの作風は、ヤバイTシャツ屋さんを彷彿とさせるようなポップでカオスなテイストの動画となっています。
ただカオスなだけではなく、その中に面白さやデザインがちゃんと設計されています。
アーティストとして多彩な才能を発揮する寿司くんの作品を見ていきたいと思います。
岡崎体育 『MUSIC VIDEO』Music Video
岡崎体育さんんお「MUSIC VIDEO」という楽曲のミュージックビデオを制作されています。
ややこしいタイトルになっていますが、ミュージックビデオのあるあるを楽曲にしたという面白いテーマの作品になっています。
こちらの作品は「第20回 文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門新人賞」を受賞しています。
ミュージックビデオの内容としては、ミュージックビデオのあるあるを岡崎体育さんの中心にして再現していくという内容となっています。
「無意味に分身させる」「急に横からメンバー出てくる」などなど、本当によくある演出をメタな視点から再現していて思わずくせになってしまう動画です。
【自主制作アニメ】 寿司くん 第一話「出会い」(sushi-kun)
こちらは寿司くんはアニメーション化した自主制作アニメです。
のび太のような風貌のキャラクターに対して、ドラえもんの代わりのように寿司くんが現れます。
ただ、のび太はひたすらに寿司くんを気持ち悪がります。
正直、最初はあまり期待していなかったのですが、見ていると掛け合いが面白くて思わず笑ってしまいました。
②山田智和(やまだ ともかず)
映像作家、動画編集者としてアーティスティックな作品を産み出し続けているのが山田智和さんです。
特に数多くの有名アーティスとのミュージックビデオを手掛けており、音楽業界からの信頼は厚いです。
- 水曜日のカンパネラ
- サカナクション
- Base Ball Bear
- DAOKO
- 米津玄師
- あいみょん
などなど、他にもたくさんありますが、これらの大物アーティストのミュージックビオを作成しています。
山田智和さんは、日本大学芸術学部映画学科映像コース出身の動画編集者です。
CREATIVE HACK AWARD、ニューヨークフェスティバル、SPACE SHOWER MUSIC AWARDSなどなど、数々の賞も受賞されています。
水曜日のカンパネラ『メロス』
水曜日のカンパネラの「メロス」という楽曲のミュージックビデオです。
山田智和さんはこちらの作品で『アジア太平洋広告祭』FILM CRAFT部門ブロンズ受賞、『AD STARS(釜山国際広告祭)』FILM CRAFT部門ブロンズ受賞2つの賞を受賞しています。
モンゴルの広大な大地を背景にすたスケールの大きい作品で、国際的な賞を受賞されています。
日本ダービーとのコラボで生まれた楽曲なので、「馬」を大きなテーマにして撮影されているのです。
歌詞の中にも「最終コーナー回ったところで」といった形で、競馬のイメージできるような楽曲になっています。
ミュージックビデオの中では、走る馬の美しさや、人間との関わり合いなどの部分が上手く表現されています。
米津玄師 MV「Lemon」
言わずと知れた名作、米津玄師さんの「Lemon」
カラオケのランキングでは何年間も堂々の1位をキープしていましたから、知らない方はほとんどいないのではないでしょうか?
こちらのミュージュックビデオも山田智和さんが制作しています。
この作品の特徴はその暗くて深みのある黒のトーンです。
光を上手く表現することによって、逆説的に影の部分を強調していて、失った人への悲しみと教会の神々しさが作品を通して伝わってきます。
③奥山由之(おくやま よしゆき)
奥山由之さんは、慶應義塾大学法学部政治学科出身の動画編集者です。
写真家としても活躍しており、いくつもの写真集を出版しています。
テレビ、ラジオ、雑誌などへの出演も多数で、ジャンルを問わず幅広く活躍されています。
1991年1月23日生まれで、比較的若手ながらも数多くの映像作品を手がけおり、業界では期待のホープとして注目されています。
ポカリスエットCM|「でも心が揺れた」篇 60秒
制作されるたびに話題になるポカリスエットのCMですが、奥田由之さんもこちらの作品を手掛けています。
一人で下校している女子高生が友達のことを考えながら走って行きます。
友達と合流したヒロインの女の子は、その友達と一緒に楽しそうにポカリスエットを飲みます。
まさに、ポカリスエットのCMの真骨頂とも言える「青春」のイメージをしっかり表現しています。
最後のシーン、友達が撮影しているヒロインのシーンが印象的です。
それまでの映像とは打って変わって、iphoneで撮影した映像のようなリアルな映像で、親近感が湧いてきます。
一言で言ってしまえば、「エモい」作品に仕上がっています。
never young beach – お別れの歌 (official video)
never young beachというバンドの「お別れの歌」という楽曲です。
小松菜奈の彼氏になった雰囲気が味わえるミュージックビデオとして、一時期とても話題になりました。
ポカリスエットのCMと同じ特徴として、iphoneで親しい人が撮ったかのようなリアルな映像が上げられます。
ここまで徹底して「リアルさ」にこだわって制作されたミュージックビデオはなかなか無いのでは無いでしょうか。
奥山由之さんは、作り込みすぎずに親近感が湧くような、リアルな作品に仕上げることが上手い動画編集者なんです。
④関根 光才(せきね こうさい)
関根光才さんは、映画やCMなど放送業界を中心に活躍されている映像ディレクター兼動画編集者です。
上智大学哲学科卒業生の関根光才さんは、広告映像制作会社に勤めながらその当時の作品で数々の賞を受賞されました。
その後、映画制作やアートフィルム、ドキュメンタリー映像作品などにも取り組まれるようになり、幅広い分野でアーティストとして活動されています。
関根光才さんのTwitter では、映像制作についてのみならず、政治的なトピックについても積極的に発信されている様子が伺えます。
Sony – CREATE THE BEYOND
こちらはSONYのブランディング広告です。
前半部分は写実的でよくあるCMといった印象を受けますが、徐々にその内容はスケールが大きくなり、宇宙空間や神秘的な映像が映し出されます。
スマートフォン、カメラ、ゲーム、ヘッドホン、映画など、SONYの製品がふんだんに盛り込まれているCMとなっており、その守備範囲の広さには驚きました。
これからもよりクリエイティブで面白そうな未来に進んでいく、というSONYのメッセージが映像にしっかりと落とし込まれている素晴らしいCMです。
『生きてるだけで、愛。』予告
2018年に公開された映画「生きてるだけで、愛。」この作品の監督、脚本を担当したのが関根光才さんです。
動画編集だけでなく、映画の脚本や監督までステップアップしているというのは動画編集者のキャリアとして成功事例の一つだと思います。
本作は、メンタルヘルスを患っているヒロインが、その彼氏とのすれ違いから暴走してしまうというストーリーになっています。
一緒に同棲している2人の部屋の空気感が画面越しに重くのしかかってくるような、そんな印象を受けました。
⑤くろやなぎてっぺい
くろやなぎさんは、少し変わった経歴を持つ叩き上げの動画編集者です。
くろやなぎさんは高校卒業後、大学には通わずに交通整備員のアルバイトをされていました。
交通整備をしていると、自分の旗で車をコントロールしているという多幸感が生まれたそうです。
その経験を元に、高速道路の交通整備の仕事まで従事したそうです。
その後、道路工事の「止まれ」の文字のタイポグラフィに興味を持ち、22歳でデザインの専門学校に入学されました。
その後、映像制作の方向へシフトし、現在では数々の作品を世に送り出しています。
BiSH / LETTERS [OFFiCiAL ViDEO]
くろやなぎさんは、BiSHの「LETTERS」という楽曲のミュージックビデオを制作されています。
BiSHは「楽器を持たないパンクバンド」として活動する、広島発のアイドルグループです。
こちらのミュージックビデオでは、渋谷の街をダイナミックに使って撮影が行われています。
BiSHのミュージックビデオは屋上で踊るというシーンが結構多いのですが、その中でもこのスケールは圧巻です。
POLA「BI-HA-DANCE(ビハダンス)」紹介ムービー
POLAの「BI-HA-DANCE」というサービスを紹介するプロモーション映像です。
ダンスを行うと、筋力の維持だけでは無く美肌にも効果があるということで、POLAでは「ビハダンス」というダンスのレッスンムービーを提供しています。
コロナ禍でリモートワークなどが多くなり、家で運動不足な人も多いと思うので、とても面白いサービスだなと思いました。
プロモーション動画ではありますが、全編を通してラップのリズムに合わせてポップなイメージで動画が進行しており、ミュージックビデオの多数手掛けているエッセンスが盛り込まれています。
まとめ
動画編集者として、最前線で活躍しているクリエイター 5名を厳選して紹介させていただきました。
今回ピックアップしみて気がついたのは、最前線で活躍している有名人は、業界を問わずに幅広く表現活動をされているとうことです。
様々な媒体やフォーマットでの表現活動が可能になっている昨今、枠に囚われない発想でイノベーションを起こせる人材が高く評価されているという印象です。